SanFranTown Web マーケティング

SNSアカウントのプロモーションおよびWeb・ブログ集客へのSEO戦略の実施を行っています

JPOPとKPOPを題材に、YTマーケティングの比較考察(後編)

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前回つづき

現在、YouTube動画のカテゴリーでもっとも競争が厳しいジャンルの一つが、ミュージックビデオ(以下、M/V)です。その中で、J-PopとK-PopYouTubeのWebマーケティング上比較したいと思います。何に関する比較考察かというと、基本的なKPI指数である「視聴回数」を上げるための施策についてです。
 
そして、今回は、後編、4.M/Vの視聴回数を上げるSEOマーケティング施策案(つづき)を述べます。関連した当方のサービスもご紹介します。ブログ内容がトビトビになりましたので、少し振り返りますとこのようになります。
 
<前々回回の内容>
1.JPOPのM/V事例と特徴
2.KPOPのM/V事例と特徴
<前回の内容>
3.視聴回数を上げるSEOマーケティング施策案(導入初期)
<今回の予定>
4.視聴回数を上げるSEOマーケティング施策例(導入中期以降)
5.マーケティング施策例(その後)
6.まとめ
 
※ なお本論は、動画や音楽、アーチストそのものに対して、優劣をつけるものではなく、あくまでマーケティング対象としての動画戦略を比較するものです。政治的意見は、一切反映しておりません。筆者は、いかなるクリエイターに対しても、ひとしく敬意を持っています。
 

4.視聴回数を上げるSEOマーケティング施策例(導入中期以降)

さて、一定の視聴回数を急拡大させた(獲得できる)コンテンツが次にとるべき方策は何でしょう。
 
J-Popの場合、他のアーチストとのコラボがよく配信されます。あとアコースティック配信とか、やはりあくまでも音楽にフォーカスした内容の動画配信が行われています。K-Popの場合、現在は短編動画をこまめに配信していきます。そこで、アイドルの個人的側面をフューチャーします。またTVで放送されたパフォーマンスやバラエティ番組の様子などを細切れにして配信します。
 
 
ただし、この段階でもK-Popの場合、よりブランド管理された内容で、アーチストが個人的にSNS配信することはありません。この点が、J-Popアーチストの一番の違いです。ただこの段階になると、いずれの場合も画一的な施策よりも、むしろよりアーチスト状況に合わせた、よりマーケティングにフォーカスした施策がとられます。Webによる施策でも、SEO対策を中心にSNSを利用した拡散段階に移ってきます。
 
例えば、ブランドが確立していない場合、頼りにすべきは、GoolgeやYouTube検索とコラボなどです。いずれの場合もキーになるのが”キーワード”です。私たちは、そのキーワードをお客様の競争相手との競合関係で調査することができます。
 
 

検索キーワードの競争優位性を調査します

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このキーワード調査によって、一見競争が厳しそうなビックワードでも、自社の主要キーワードにできる可能性を見つけることができます。例えば、食品会社の依頼で、道産海産物に関するキーワードを調査して、”フジツボ”というキーワードが有力なキーワード候補になることを発見しました。このワードは、検索数が10万件もあるのに、競争性が低かったのです。本サービスは、キーワード分析のほかに基本的な実施提案を、データとともにお客様に提出します。
ただし、最近の傾向は、SNSの最も得意とする”拡散”機能を最大限利用しています。J-PopやK-Pop共通して、最近は、TikTokが利用されています。短編動画で、アーチストの人柄をアピールしています。ただ、ここでもK-Popは、アーチストのブランド管理をしていますが、J-Popアーチストは、個人的投稿が多く、必ずしもブランド管理されていないばかりか、最悪の場合、炎上してブランド・イメージを毀損する場合が生じます。K-Popの場合、即応するために、個人アカウントに偽って、いったん即配信し、視聴者動向を見定めたのちに公式アカウントに動画を移行させています。
 
 
この傾向は、マーケティング全体に言えることです。例えば、ローソンは、Twitterを最大限に利用しています。ローソンは、国内最大、Twitterのフォロワーを600万人有しており、昨年度は、鬼滅の刃とコラボした商品で130億円の関連グッヅ売上を記録しました。今年度は、コルシカの楽曲とコラボした商品、”雨とカプチーノ”が大ヒットだそうです。こうしたタイアップをTwitterの拡散を利用して販売を伸ばしています。そして、コンビニ業界ですら、もはや伝統的なマーケティングターゲットのセグメント(男女や年齢など)は役に立たなくなっているのです。Twitterによって、お客様の嗜好の動きをとらえ、拡散していくことがより重要になっています。
 

5.視聴回数を上げるSEOマーケティング施策例(その後)

結論から申し上げれば、終期の施策というのは、存在しません。なぜならば、ビジネス課題は、ビジネスを継続する以上、なくならないからです。もちろん、ゴールを設定し、それを達成するということは変わりません。
 
再び、J-PopとK-PopのM/V動画の比較に戻ります。J-PopのM/V、これは欧米のM/Vも同じなのですが、同じコンテンツを1クール(例えば1年)終了したのちは、そのまま放置してしまいます。もちろん、それはそれでいいのかもしれません。K-Popの場合は、1クールがだいたい1年だとしても、2年後、3年後、デビュー曲動画でさえ、必ずコンテンツ修正が行われます。基本コンセプトは、変わりません。しかし、細かく修正が必ず行われます。わかりやすいのは、コスチュームやシーンが入れ替えられるのです。これはK-Popアイドルの専属契約が7年サイクルで、その間は、コンテンツが事務所の重要なブランド商品だからなのでしょう。
わかりやすい例は、BlackPinkの”Love Sick Girl”です。前編で、看護師さんを性的対象としている批判が韓国内で上がった、と話しました。今年のM/Vでは、私が当初批判していた、食べ物を投げて遊ぶシーンもほとんどカットされ、別のカットに入れ替えられています。これは、日本では、食べ物で遊ぶことは行儀が悪い、という価値観があるからです。同時に、日本語版アルバムが1年遅れて、日本国内で販売されています。このように韓国のK-Popアイドルの中で、最も人気があるM/V動画ですら、改善点や目新しさを絶えず更新していくのです。
 
この変えないM/Vと変えるM/Vのどちらが良いのか、というのは、単純には言えないかもしれません。
お客様の中でも、Google検索順位を上位にできますか、と質問してくる方がいらっしゃいます。可能です、とお答えすることにしています。しかし、必ず、ある時期、上位になっても、こうした向上策を常にメインテナンスしていかなければ、検索順位は、維持できません、とも申し上げています。なぜならば、Googleは、常に、最新の検索順位に更新すべく、Web全体をクロールしているからです。これだけすれば、もう何もしなくてもいい、というのは、嘘であり、偽りなのです。
 

6.まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、主としてK-PopとJ-PopのWebマーケティングの比較を例に、私たちのサービスの施策例をご紹介して、戦略比較をしてみました。
ここで、あるダンス教室のお客様にYouTube動画を併用されたら、いかがでしょう、と提言したところ、「生徒さんや親御さんの撮影許可を得るのが大変なので、ウチには向きません」と反論されました。「確かに」と納得せざるを得ませんでした。このようにすべてに当てはまるSEO施策などあるはずはなく、それぞれのお客様が自らのビジネスの現状を踏まえ、最適な施策となるSNSを選んでいくことが大切です。
ビジネスの現場を一番ご存じなのはお客様です。私たちは、どうしてもWebマーケティングのセオリーから現場を分析してしまいます。それはそれで必要なことでも、お客様の現場感覚から異なっている場合は、率直に意見をお聞かせください。
当方は、そうした異なった意見に耳を傾けることができます。そして、お客様のビジネスにとって、最適な施策は何か、というところに落とし込んでいくことができます。
率直なご意見は、不合理で、不条理なクレームとは、違います。現場の経験に基づいた知見は、上っ面をなでるだけの薄っぺらな知識とも違います。当方は、その違いを敏感にくみ取ります。SFTマーケティングの提言が、違うとお考えになる点には、ぜひ疑問を投げかけてください。こうした率直な意見は、双方にとってよりよいビジネスを作り上げる基盤になると私たちは考えているからです。その意味で、やはり試行と検証(トライ&エラー)は、どんなビジネスにも必要なのです。