YouTubeのSEOで注力すべき5つの要素と3つの注目ポイント
YouTubeのSEOで注力すべき5つの要素とは? 動画検索ランキングにに直接の影響がないにしても把握しておくといい3つの注目ポイントとは?
YouTubeにオーディエンスがいる人は、リーチするためにできる限りのことをやっているでしょうか?今回は、ジャスティン・ブリッグス氏による大規模な調査で明らかになってきた、YouTubeのSEOにあたって、重要な要素を取り上げました。
この調査は、YouTubeの検索エンジン全体に及ぶさまざまな動画のランキングに加えて、YouTubeの何千ものチャンネルや個々の動画のパフォーマンスをブリッグス氏が調べたものです。ここでは、ブリッグス氏が言及した特に重要なポイントや、この調査で同氏が導き出したいくつかの結論をまとめてみましょう。
動画ランキングで成功するための5つの重要な要素
まず、動画ランキングで成功するには、いくつか重要な要素があります。それは簡単に言うと、次のコメントに集約されます:
だれかがYouTubeで特定のキーワードで検索したときに、それが必ずしもブランドのキーワードではない場合に、何が表示されるかということ。
グーグルで成功する検索順位決定要因について考えるのと同様で、これはYouTubeの場合の成功要因です。ただし、これを達成したからと言って多くの再生回数が得られる要因というわけではなく、むしろ、そのいくつかは逆効果となるのです。
① 動画の再生回数と視聴時間
まず、動画の再生回数と視聴時間から始めよう。これらは相関性が非常に高いことがわかっています。ブリッグス氏の見解では、ランキングの高さとも因果関係があるようだといいいます。
もし動画を公開している人で、競合相手の動画と比較した場合、
- 相手より再生回数が多く、
- 再生回数1回あたりの平均視聴時間(つまり、どれほど多くの人が動画の内容をより多く見ているか)も長い
場合は、相手よりも検索パフォーマンスが高い可能性が高いのです。
② 検索者のクエリと一致するキーワードを含むタイトル
第2に、YouTubeでは、通常のグーグル検索と比べてキーワードの一致が重要だと今でも考えられています。
一致キーワードがテキストとして存在することは、通常のグーグル検索では重要です。しかしYouTubeではさらに重要であり、より大きな要因とさえ、言えます。
基本的に、ブリッグス氏のデータから分かるのは、キーワードの一致に関しては次のような傾向があることなのです。
- 動画タイトルのキーワードフレーズが完全に一致する場合のほうが、部分一致の場合よりわずかにパフォーマンスが高い
- 部分一致の場合は、まったく一致しないかごく一部しか一致しない場合よりはるかにパフォーマンスが高い
したがって、パンダが食べるものを撮影した動画をランク入りさせようとするならば、その動画のタイトルは、「パンダが食べるもの」とするほうが、おそらく、例えば「パンダの消費習慣」や「パンダによる食物の選択」といったタイトルにするよりも、はるかにうまくいくでしょう。
検索者が検索するのと同じように動画について説明し、動画のタイトルを付けるようにすれば、検索者がYouTubeをどのように使っているかについて有益な情報が得られるからです。
さらには、グーグルのキーワード検索から返されるデータも利用できます。特にグーグルのキーワード検索で動画が1番上に表示される場合は、YouTubeでも多くの需要があるかもしれないと類推できます。
③ タイトルは短く(50字未満)、説明文に多くのキーワードを含める
第3に、タイトルと説明文の関係です。
このデータセットでは、次のようにしたる場合に、最高のパフォーマンスが得られる傾向がありました。
- タイトルは、50字未満の短いものにしよう。
- 説明文は、200~350ワードにして多くのキーワードを含めよう
したがって、YouTubeの動画のタイトルや説明をどの程度の長さにするべきかのガイドラインを探している人は、一般的にはこれがベストプラクティスと言えるでしょう。これより少し長くなってしまっても大きな問題ではありません。パフォーマンスが劇的に下がるわけでもないでしょう。しかし、この数字の前後にとどめておくことが賢明なのは間違いありません。
④ キーワードタグ
第4に、キーワードタグは重要です。
YouTubeでは、動画にキーワードタグを適用できます。
これは数十年前にグーグルのSEOにあったもので、meta keywordsタグを使っていました。YouTubeには今もあり、これらのキーワードタグは、ランキングにはやや重要という程度に思え、おすすめ動画ではさらに重要性が高いように思えます。これらオススメ動画は、デスクトップでは再生動画の右側に表示され、モバイルでは再生動画の下に表示されます。
これらのオススメ動画は、現在再生中の動画を見続けた場合に、次に再生される動画でもあります。どちらにも大きな影響力があり、より多くの視聴数を獲得できるため、当然ながらランキングを上げる大きな助けになるのです。
キーワードタグは2~3のキーワードフレーズ要素で使いましょう。
ブリッグス氏のデータセットで最高のパフォーマンスを見せていた動画は、たいていがユニークなタグを31~40個使っていたが、これはかなり大きな数です。
つまり、「パンダが食べるもの」の動画を公開している人たちは、動画に「パンダ」「動物園」「動物」「哺乳類」」といったタグを付け、時には「有袋類」というタグを付けることもあるかもしれません。その中で、31~40個のさまざまなタグを追加した動画が最高のパフォーマンスを示す傾向があったとのことです。
追加するキーワードタグが多すぎると逆効果になると心配している人は、杞憂のように思われます。もちろん、物事には限度がある、ということです。
⑤ 動画の長さによって、パフォーマンスやランキングが変わってくる
第5に、最高のパフォーマンスが得られる動画の長さに関しては次のような傾向があっりました。
- 長さが10~16分であれば、ランキングで最高の効果が得られる傾向がある
- 2分以内の動画は、YouTubeのオーディエンスには非常に嫌われる場合が多い。パフォーマンスはよくない
- 4~6分は再生回数が最も多い
これは、どんなゴールに向かって最適化するかによって適切な尺が異なることを示しています。ホワイトボード・フライデーでは、情報を伝えることを目的としており、そうした情報を便利で興味深く、有益なものにすることを目指しています。そのため、今後も10~16分を維持するでしょう。
しかし、たとえばリリースする新製品のプロモーション動画を作る場合は、4~6分の動画にして、できるだけ多くの視聴数、できるだけ広範な拡散、できるだけ高い認知度を達成しようとするかもしれません。
3つの重要なポイント
他にも、有益かもしれないと思った重要なポイントは3つあります。
古い動画は平均して比較的パフォーマンスが高いが、新しい動画は急激に伸びる
ポイントの1つは動画公開からの経過日数と順位に関するもので、次のようなことです。
平均すると古い動画の方が上位に表示されるが、新しい動画が公開されると、ランキングが急激に上がる傾向がある。
ブリッグス氏はデータセットを使って、こんな感じのすばらしいグラフを作成していました。動画公開から「0~2週間」「2~6週間」「6~12週間」「1年」経過すると、ランキングがこのように変化する。
ブリッグズ氏は、動画公開からの経過時間とランキングについて、ほかにもいくつか調査しています。しかし、グラフの動きを見ると、最初の2~6週間で上位に浮上するという考えどおりに変化しており、最初の0~2週間に最も高くなることがわかりました。
したがって、コンテンツを定期的に公開して「なんだ、この動画は伸びなかった。もう一度トライしてみよう。この動画も伸びなかった。おっと、今度はうまくいった。これこそオーディエンスが探していたものなのだな。これは本当に強かった」というようなことをしているのなら、この公開初期の効果をうまく使っているということなのです。
チャンネルは動画のランキング上昇に役立つ
チャンネルは、ブリッグス氏が深く掘り下げていたものです。ブリッグス氏はチャンネルの最適化について多くの調査をしました。
チャンネルの登録者は、非登録者と比べて、次のような傾向がありました。
- コメントしてくれる
- 「高く評価」してくれる(いいね!アイコンをクリック)
- 平均視聴時間が長い
こうした登録者のの存在によって、チャンネルが確かに個々の動画を後押しする働きをするのです。
ブリッグス氏によると、登録者がもたらす評価指標から恩恵を受けるには、1000人以上の登録者を目指すところから始めると非常にうまくいくという。再生回数だけでなく、ランキングにもプラスの影響があることが多いのです。
ただし、この両者が因果関係にあるのか、あるいは相関関係にすぎないのかは不明です。
埋め込み動画とリンクは相関関係にあるが、それが因果関係なのかは不明
相関関係であって因果関係とは判断しきれないものに、次の2つがあります:
- 埋め込み動画
- リンク
調査では、ランキングと埋め込み動画の関係も調べています。
棒グラフの棒が長いほどランキングは高く、短いほどランキングは低い。つまりここから読み取れるのは、次のことです。
埋め込み動画が多いほど、パフォーマンスは高い傾向にあった(ウェブサイトに埋め込まれているケースが多かった)。
しかし、実験を通じて、多くの動画を埋め込むことでランキングを上げられることを証明できるかは、よくわかりません。ある動画が上位に表示されて、多くの場所で取り上げられたとしても、「埋め込み動画が多いからランキングの上昇につながった」というよりも、「多くの人が埋め込んだから」にすぎないかもしれないからです。